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2011年06月01日

二日目午後からは安来にある足立美術館へ。

ちょっと前までゲゲゲブームに沸いた境港も一目見てみたかったのですが、時間の関係で今回はパス。

松江市内から車で約40分。
町の中にあるかと思いきや、周りは自然でいっぱいのところに足立美術館はドーンと立ってます。

入場料2200円は、美術館にしては結構いい値段ですが、横山大観のコレクションとまるで絵画そのままのような美しい日本庭園の拝観料だと思えば、しょうがないかな。

「見よ!」と言わんばかりに創始者が庭園を指さします。
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傍らには8年連続庭園日本一の石碑が毎年更新されているようです。


足立美術館庭
後ろの山は借景ですが、絶妙にマッチしてます。ちなみに山にかすかに見える滝は、わざわざ作ったそうです。自然の山にわざわざ滝まで作るとは。

でも実際に見るとやはり素晴らしい。ここは是非、四季折々に訪れてみたいですね。

壁に四角く穴を開けただけですが、これが「生の額絵」
額絵
「生の掛け軸」なんてのもありました。

「庭園もまた一幅の絵画である」と表現する創設者足立全康はどんな人なのか、そっちにも興味がわきますね。

14歳で報われない農業に見切りをつけ、現在の美術館より奥の町から15キロ離れた安来の港まで炭を運ぶ仕事に就くのですが、
その道中で近在の家々に炭を売りあるいて、運賃の倍の収入を稼いでいたそうで、それを元手にいろいろな商売で財を成したとか。
この商才やはりただ者ではないですね。

その成した財で、展覧会で惚れ込んだ横山大観の作品を買い集めたようです。

当日、足立美術館で観た作品の中で私が一番印象に残ったのは「雨霽る」(あめはる)。

大観が好んで描いた富士山の作品ですが、他の光り輝く朝日と富士山を題材にしたものとは趣を異にして、モノトーンで富士山はやや控えめです。

朦朧体と言われるタッチで描かれた霧が山肌や木立の間に立ちこめる情景は、じっと見ているとまるで白黒映画のように霧が流れていくような錯覚さえ起こしそうです。

創始者足立全康もこの作品が好きで画集から切り抜いて眺め続け、夢にまで見ていたそうです。

複製画15000円、足立美術館特製の複製画は189000円で売ってました。
やや心が動きましたが、落款はよく見ると足立美術館だって。
実物を見てしまうとやっぱりね…
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北斎同様、とりあえず、クリアファイルで我慢です。

2011年05月29日

今回は、やたら観光名所を巡らず、一か所に半日程度ゆっくり滞在しようと決めていたので、二日目はどうするか迷いましたが、とりあえず午前中は松江城周辺観光へ。

松江城まで行き、堀川めぐりをしようと中心地にある大手前の駐車場に止めようを思ったら、午前10時頃にはもう満車。
連休の間の平日だから多少空いているかと思っていたら、松江城周辺はすごく賑わってました。

堀川から見た松江城
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やや離れた城山西駐車場に車を止め、遊覧船に乗って堀川めぐりをすることに。
一人1200円で三ヶ所の発着所を終日乗り降り自由となっていますので、一日ゆっくり観光するには便利ですね。

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橋の下に来ると船の屋根が下がります。客も一緒にしゃがんでます。

先ほど車を止められなかった大手前発着所で降りて、城内周辺を散策した後小泉八雲記念館と実際住んでいたという旧居に入館してみることに。

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小泉八雲は「雪女」や「耳なし芳一」などの「怪談」の作者で有名ですが、その純和風な名前や作品とそのプロフィールとのギャップから、
家人の第一声は、

「エー、この人、外人やったとー!?」

「学校で習ったろーもん。知らんやったとね。」

ここで出雲大社での借りを返しました。

入館のしおりを読むと、ラフカディオ・ハーンはギリシャに生まれ、父の故郷であるアイルランドに移りフランスやイギリスで教育を受け、19歳で単身アメリカに渡り、
39歳の時に記者として日本にやってきて、そのまま帰化したようです。(好きで世界を遍歴していた訳ではなさそうです。苦労されたのでしょうね。)
54歳で世を去るまでの間、わずか15年ですが、日本をこよなく愛していたのが、その作品群からもうかがえます。

「知られぬ日本の面影」の舞台となった住居の庭を見学しましたが、西洋人でありながら日本文学者としても一流で、日本人に勝るとも劣らぬ日本的な心を持っていたことはまさに尊敬の念に値します。

居間に座って八雲が住んでいた当時のままの庭を眺めてみました。
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八雲もとても気に入って眺めていたそうです。やはりとても心が落ち着きますね。

何やら今回は庭園めぐりの旅になりそうです。

2011年05月25日

出雲方面に行ったら、一度は行ってみたかったのが玉造温泉。

「神の湯」と呼ばれる玉造温泉は日本最古の湯ですが、その名が知られている割に温泉街自体はさほど大きくはありませんでした。
また、別府や道後などに比べ派手な賑やかさはあまりありませんが、決して寂れているわけではなく、かえって落ち着きのある温泉地となっています。

どこにするかさんざん迷いましたが、温泉好きな私が選んだ宿は、
一万坪の大庭園と120坪の日本一の庭園混浴大露天風呂が売りの「湯の助の宿長楽園」。

湯の助とは江戸時代松江藩より賜った官職名で、この旅館が玉造温泉の元湯の管理など一切を取り仕切っていたそうです。 

庭園がセールスポイントなだけに大露天風呂(龍宮の湯)は、まさに庭園の大きな池の中に入っているようで、その開放感に心身ともにリラックスしました。

混浴ですが女性も体に花柄の布を巻き、連れの男性と仲良く入っていらっしゃいました。
やはり縁結びの神様のおひざ元、カップルの方が目につきます。

翌朝、露天風呂に入浴中の写真を撮ってきたかったのですが、早朝もたくさんの女性が入浴しておられ、体に巻き布をしているとはいえ、撮っているところを見つかると、お縄を頂戴しそうなので、断念。

気になる方は長楽園のHPをご覧ください。
 http://www.choraku.co.jp/index.html

庭園の夕日
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絶景といわれる宍道湖の夕日は時間の都合で見られなかったので、こちらで我慢。

庭園の手入れもよく行き届いていました。
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池に面して設えられた休憩所の横には、すっと通り過ぎると気がつかないような地下道があります。

抜け出てみると、そこには昭和天皇ゆかりの御座所とその専用庭が。
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こちらの山荘も普段使っているのかどうか定かではありませんが、きれいに手入れがされてありました。

家族連れもいいですが、夫婦でゆっくりと寛ぐにはとてもお勧めの玉造温泉でした。