TOPICS

2013年07月18日

最後になりますが、イタリアの消費税のことにも少しふれておこうと思います。

イタリアでは消費税はIVA(付加価値税)と呼ばれ、日常生活に必要な食料品などを除いて、通常は21%の税率で課税されます。
この税率はそれこそ今月7月に22%に引き上げられる予定だったようですが、雇用政策との絡みで10月まで3ヶ月間延期になっているようです。

イタリアでは一つの店で154.94ユーロ以上買い物をすると最大で14.5%のIVAの還付が受けられるようです。
ちなみにこれは税込みで154.94ユーロということで、店頭価格の値札表示も基本的に税込み価格になっています。
そして還付を受けるためには、ちょっと面倒な免税手続きがあります。

今回の旅行は見どころ満載のパックツアーのためか自由行動はほとんどなく、幸い?なことグッチをはじめとする高級ブランドの店に立ち寄る時間はありませんでした。

と言う訳で今回は免税手続きをする機会はないかなと思っていましたが・・・

ローマでは旅行会社指定の革製品の店に立ち寄ったのですが、税金還付を受けるつもりなのか、家人はここぞとばかり155ユーロ以上の買い物をすべく店内を忙しく動き回っています。

確かに155ユーロの買い物をすればその14.5%の約22ユーロの還付が受けられることになるわけで、買い物の合計が133ユーロから154ユーロぐらいだと、免税還付が受けられない分事実上の出費は多くなることになります。

と言う訳で、家人はめでたく163.10ユーロのお買い上げで、免税手続きの書類を発行してもらうことに。

免税書類.JPG
お店の人は手際良く免税手続きの書類とレシートをホッチキスで止めて渡してくれます。

でも、アレレ、その書類をよく見ると払い戻し税額18.76ユーロと記載されています。
と言うことは税抜きの134.79ユーロに対し還付率は14%弱になってしまいます。

どういう計算でその払戻金額になるのでしょう。
いろいろ調べてみましたが、結局謎のままです。
わずかなことなのでどうでもいいのですが、職業柄ちょっと気になるところです。

そして家人はクレジットの支払手続きを私に任せ、残った時間でさらに土産物を物色しています。

そして免税手続きの書類が全部終わった後で、新たに購買意欲をかき立てるものが見つかったのか、18ユーロ程度の品を現金でさらに買おうとしています。

この分は免税還付を損したなと思っていると155ユーロ以上買っていたからか、お店の人は15%の値引きしてくれるじゃないですか。

あとで他に人の話を聞くと、日本円しか持ってなかった人も約2万円以上買ってくれるならと、免税手続きをせずに直接、免税分を値引きしてくれたそうです。

なんだ、為替の問題もありますが、ややこしい免税手続きをしなくていい分、そっちの方が楽じゃないかと思います。

日本でも問題になった事実上の消費税還元セールですね。

さて、帰国の際、ローマ空港で免税商品が入ったスーツケースと免税手続きの書類をもってキャッシュ・リファンド・カウンターに行き免税手続きをしてもらいます。
免税申告.JPG
係りの人は朝からこんな面倒をかけやがって、とでも言いたげに不機嫌そうに手続きをしています。

サイン.JPG
スタンプを力まかせにバンバンッと押すと、サインもなにやら書き殴りです。

後はその書類を投函して、1ヶ月ほど先にクレジット引き落とし口座に還付金が入金されるのを待つだけですが、
郵便事情もあまりよくないというイタリア、無事に入金されることを祈るばかりです。

イタリアは観光資源豊かな素晴らしい国ですが、添乗員さんが何度も言っていた言葉がもう一つありました。

「イタリアではレジでも事務処理でもすべてマイペース、サービス精神のかけらもないですよ。」

そう言われたら、思い当たる節がいくつもあった今回のイタリア旅行でした。

2013年07月11日

今回のイタリア旅行のもう一つの大きな楽しみは何と言っても本場で味わうイタリア料理ですね。

私は食通ではありませんが、正直な感想で今回味わった主なものを紹介すると、

ミラノ風カツレツ
カツレツ.JPG
牛肉を叩いて薄くのばし、揚げ焼きにしたもの。
ウーン、これは家人も豚肉だと言い張るぐらい、味はまさにとんかつです。
そのままだと、ちょっとあっさりして、とんかつソースのようなつけダレがほしくなりますね。

ミラノ風リゾット
ミラノリゾット.JPG
ライスはやや硬めです。
ミラノの貴族が料理に金粉を振りかけていたから黄金色の料理をミラノ風と呼ぶんですかね。

イカ墨パスタ
イカスミ.JPG
見た目より味は淡白でしたので、パスタだけだとちょっと飽きてくるような・・・

暮れなずむナポリのサンタルチア港を眺めながら、テラスで味わったシーフード料理。
ナポリシーフード1.JPG

ナポリシーフード2.JPG
ここが味も雰囲気も一番良かったですね。

ナポリでは食後のデザート、コーヒーまで出た後に、さらにレモンチェッロというリキュールが出てきます。
レモン2.JPG
スッキリした味で食べすぎのお腹の整腸を助ける役目があるそうですが、下戸の私にはけっこうキツめです。

オレキエッテ
オレキエッテ.JPG
耳たぶパスタですね。
これも美味しいのですが、しばらく食べてると飽きてきます。

ポンペイで食べたマルゲリータ。
マルゲリータ.JPG
フォークの大きさと比較して下さい。直径30センチ以上はありました。
高齢者が多いのにこれを一人で食べろと言われてもねぇー。
やっぱり飽きてきます。
せめてハーフ&ハーフにしてもらいたいものです。

カルボナーラ
カルボナーラ.JPG
これが本場のカルボナーラ?というような一品でした。
期待していただけにちょっとショックです。

ローマ忘れ物事件の舞台となったレストランのペンネとサルティンボッカ
ペンネ.JPG

サルティンポッカ.JPG
ペンネはピリ辛ですが、味はなかなかのものでした。

まだまだありましたが、あと気になったことと言えば、

ホテルの朝食はAグレードと言えども総じて簡素なところが多かったですね。
通常はパンにスクランブルエッグ、ベーコン、ハム、チーズ程度です。

これはローマのホテルの朝食
ローマ朝食.JPG
滞在中では一番豪華なやつでした。

イタリアでは生野菜はあまり食べないのですかね。
どこに行っても生野菜のサラダはほとんど出ませんでした。
写真のように盛り付けてあるレタスなんかもほとんど塩ゆでしてあり、血圧を気にする私にとっては塩辛く感じます。
アルベロベッロ夕食.JPG
サラダは塩を意味するラテン語「sal」が語源だそうです。
本来サラダって塩ゆでするものだったんですね。知りませんでした。

今回の旅行でもいろいろなものを食べましたが、世界遺産観光に力が入っていたのか、グルメ紀行的にはちょっと物足りなさを感じてしまいました。
イタリアにはもう一度美味しいものを食べに行きたいですね。

2013年07月09日

そしていよいよ最後となるローマ観光。
今回の観光の一番の目玉です。

トレビの泉、スペイン広場、真実の口、コロッセオ、定番の観光地は一通り廻りましたが、どこも人が多く、そして天気もいいのでとにかく暑い。

サンタ・マリア・イン・コスメディン教会の入り口の壁にある「真実の口」

実はこれマンホールの蓋だそうです。
真実の口.JPG

口に手を入れて写真を撮るだけのために、延々20分以上並びます。
さんざん待って入った教会内部はいたって普通で、10分もあれば出てきます。
並ぶこと自体にバカバカしさをおぼえますね。
映画「ローマの休日」の影響がいかに大きいかを思い知らされます。


イタリア観光で添乗員さんから毎日のように口を酸っぱくして言われ続けることは、スリと置き引きや忘れ物です。

添乗員さん曰く、
「ホテルでの忘れ物は一旦ホテルを離れると戻ってくる確率は80%、レストランなどではいったん離れると50〜60%の確率で戻ってきません、ましてや路上で忘れればまず戻ってこない。」
とのこと。

そしてイタリアに限らないとおもいますが、観光地のトイレ事情の悪さです。
名所旧跡ではトイレがあまり整備されていません。
そしてあったとしても、そのトイレには便座すら、ついてないことが多いですね。

女性はどうするのかと思い、家人にも聞いてみると、便座にはお尻は付けず中腰だとか。
従って、トイレは出来るだけホテルや昼食時のレストランで済ませた方が無難です。


午前中のローマ市内観光を終え、昼食を取った後、ヴァチカン市国観光へ、というところで事件は起こりました。

昼食時のレストランで、午前中のローマ観光の暑さでグダグダになっていた私は食欲もあまりなく、混まないうちに先にトイレへと、席を立ちました。

トイレでしゃがみこむ前に、お尻のポケットに入っていたこの春に買い換えたばかりのiPhoneに気づき、これを落としていけないと、トイレットペーパーのボックスの上に置いたのでした。

そしてノックする音に急かされるように、急ぎ用を足すと、連日の疲れでボーッとしていた私はあろうことかそのままトイレを後にしたのでした。

忘れものに気づいたのは、店を出て5分ほど歩き、ヴァチカン行きのバス待ちをしている時でした。

「今ならまだ間に合うかもしれない。」
と言う添乗員さんの言葉に一縷の望みをかけて、私は今来た5分ほどの道のりを、猛ダッシュで店に駆け戻ったのでした。

「あれだけ言われとったのに、このバカチンが!」
心の中でそう何度も自分を罵り続けながら・・・

そして店の入り口のレジを通り抜けトイレに向かおうとした時に、レジの店員が、
「ヘイ、忘れ物か? iPhoneならここにあるよ!」
みたいな感じで、ニコニコしながらiPhoneを振っています。

何と私のiPhone は無事レジに届けられていました。

そのレストランは上品な客が多そうだったことが幸いしたんでしょうね。
届けてくれた人に本当に感謝です。

心配していた同じツアーの人たちも、猛ダッシュでヘロヘロになった私がiPhoneを手にしながらバスに乗り込んでくるのを見て、笑顔で迎えてくれます。

とてもうれしいやら恥ずかしいやら、イタリアで一番思い出に残る事件でした。


最後はカトリックの総本山ヴァチカン市国。
ヴァチカン2.JPG
先日ここでコンクラーベをやってましたね。

ヴァチカン博物館の天井画
ヴァチカン.JPG
絵の周辺も彫刻ではなく描かれているそうです。一種のだまし絵ですね。


システィナ礼拝堂ではミケランジェロの「最後の審判」」を鑑賞しました。

ここは写真も、ガイドも×、私語も謹んで、ひたすら天井画を鑑賞しなければいけません。
ここでの鑑賞時間は15分程度ですが、そんなに上を見続けていると、首を痛めるのでご注意を。
見るのも大変ですが、描くのはもっと大変だったことを思い知らされました。