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2011年11月22日

平成23年11月21日付の週刊税務通信に、国税庁の平成22事務年度の相続税の調査状況が掲載されていました。

それによると、実地調査件数は13668件の内、申告漏れなどの非違件数は11276件となっており、相続税については調査が入れば8割以上の確率で追徴税額が課せられているようです。
調査1件当たりの申告漏れ課税価格は2922万円、同じく追徴税額は583万円となっています。
又、無申告者も増加傾向にあるようです。
不況と言いながら、やはり相続税調査の申告漏れは金額が大きいと実感します。
申告洩れ財産の内訳は現金預貯金等が3割以上と圧倒的に多く、次いで有価証券、土地が多いのですが、本年度はリーマンショックの株価下落の影響で、土地の申告漏れが有価証券を若干上回っているようです。

前置きが長くなりましたが、紹介されている事例を読んでいたら、ヘェ〜!っといったものまでありました。

被相続人が真正の遺言書とは別に、預金・国債を相続財産から除外した偽の遺言書を作成し相続人らに過少申告を指示していたというものです。
相続人らは言いつけを忠実に守り申告から除外。
どうやって発見されたかまでは書いてありませんでしたが、申告漏れは3億1100万円、追徴税額1億4300万円に上ったようで、当然重加算税が課せられています。

遺言書があるにもかかわらず、相続人間で分割協議を行うことも多い中、本来なら故人の遺志を尊重して遺産を分割するのが被相続人にとっても本意であり喜ばしいことかと思います。

とは言え、

自分の亡き後を案じた被相続人の最後の心配りに、相続人も故人の遺志を尊重してその言いつけを守ったのかもしれませんが、
被相続人は少々気を効かせ過ぎたようですね。

遺言書を書く前にも、是非税理士にご相談下さい。

相続のことなら福岡市の田中秀樹税理士事務所

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2011年11月09日

この度の東日本大震災で被災された皆様には、あらためまして心よりお見舞い申し上げます。

さて11月1日に国税庁は東日本大震災に係る調整率を発表しました。

震災特例法により、平成23年3月10日以前に相続等又は贈与により取得した指定地域内の特定土地等に係る相続税・贈与税で、同月11日以後に申告期限が到来するものについては、震災による地価下落を反映させるため、特定土地等の価額を、相続等又は贈与の時における時価によらず、「震災の発生直後の価額」によることができるとされています。

この指定地域は震災後しばらくして公表されていましたが、今回、この調整率がようやく発表された訳です。
詳しくは国税庁のHPをご覧ください。

この「震災の発生直後の価額」は通常の評価額に調整率を掛けるだけで非常に簡単です。

津波の被害が甚大だった宮城県の女川町の一部は0.20、福島県の富岡町などの原発周辺の土地は、調整率は0となっています。
つまり、調整率が0なら評価額も0ということですね。

当初、九州に住んでいる私は正直、この調整率を自分自身が業務で使用する機会はあまりないだろうと高をくくっていましたが、
先頃、ここ福岡で発生した相続で、被相続人が千葉県柏市に不動産を所有していた案件に関わることに。

という訳で、その柏市の震災の被害自体はあまりたいしたことはなかったのですが、指定地域に該当していたこともあって、

「調整率が発表されたら評価額はもう少し下がると思いますよ。」

なんて、相続人に期待をさせるような発言をしていたのですが、発表されたその地域の調整率はなんと1.0。

つまり評価減はなしということです。

さんざん待たせておいて出てきた結果が、0とは何だかちょっとやりきれません。

液状化によるブランドイメージの減価なども減価の一要因として加味されているようですが、指定地域に指定されたこと自体、既に不動産の価値が損なわれている様な気がするのですが...

被害の程度に差をつけるのは当然ですが、被害があるということでわざわざ指定地域に指定したのなら、少しでもいいから何らかの斟酌があって然るべきだと思います。

なんだか私の方が相続人に申し訳ないような調整率の発表でした。

2011年10月30日

先日、ベトナムに行って来ました。
旅のメインはベトナムが誇る世界遺産、ハロン湾クルーズです。
今回は豪華クルーズ船に一泊して、朝日と夕日を鑑賞するのが一番の目玉です。

乗船した客船はビクトリースター号。
ビクトリースター号

木造船ですが、2009年4月に建造されたばかりでとてもきれいでした。
船内

各キャビンには、普通にバルコニーまで付いています。
バルコニー

もちろん、部屋にテレビなんてものはありません。

ここでは、ひたすら海と空と島々を眺めるだけです。

ハロンとは龍が降りる地という意味ですが、その名前と裏腹に海上はとても穏やかで、中国桂林の奇岩の島々が集まる瀬戸内海といったイメージでしょうか。

ただ残念なことに、天候は曇りで夕日はこんな感じ。
夕日


朝日も早起きしましたが見ることができませんでした。
ハロン湾夜明け
ハロン湾の夜明け


でも、何もせずただボーッと海を眺めることに時間を費やすことで、心に活力がよみがえる気がします。

首都ハノイからバスで片道約3時間半かかりますがこの一泊クルーズ、とてもお勧めです。

そう大きくない船ですが、船上では乗客を飽きさせないように、ベトナム料理教室や、イカ釣り、太極拳などのプログラムが用意されていました。

その中のひとつに、水上生活者の見学ツアーというのがあります。
4名ずつ手漕ぎボートに乗って船上ハウスの周辺を回遊するというツアーですが、そこで生活している人、遊んでいる子供達等の生活風景をを眺めながら回遊するという、プライバシーもへったくれもないようなツアーで、物見遊山で見ている自分のほうが後ろめたさを感じます。

子供達だけでボートを漕いで遊んでます。
ボーハウス子供
日本じゃ考えられません。


ボートの漕ぎ手はみんな女性です。
手漕ぎボート
40分近くボートを漕ぎ続けていても、カメラを向けると涼しげにニコッと笑ってくれました。

フエ ドンバ市場
フエ ドンバ市場
市場へ行けば、女主人が「ワタシノミセ、コッチヨ」と手を引かんばかりに連れて行こうとします。

おびただしいバイクは排気ガス対策が欠かせません。
バイク女性
おしゃれなマスクで武装しバイクに跨る女性たち。
お土産に買ってくれば良かったな。

交差点に信号なんてほとんどありません。
道路横断
この地では道路を横断するには、意を決して一歩を踏み出す勇気が必要です。

あちらこちらの歩道で夕食をとる皆さん。
路上で夕食
とても邪魔です。
おまけにバイクの不法駐輪で歩行者は車道を歩かないといけないことも。

ベトナムに来て感じたそのダイナミズム、その源は男性よりも勤勉に働いている?女性たちが明るく生きてゆくそのバイタリティにある様な気がした今回の旅でした。