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2012年01月06日

今回もまた、税制改正ネタから入りますが、平成23年度の税制改正では積み残しとなっていた相続税関係の見直しは先送りとなり税制抜本改革の中で検討されることになったようです。

相続税の基礎控除の引き下げや税率構造の見直しの先送りは、昨年の春以降に相続が発生した相続人とっては、ややホッとしたところがあるのではないでしょうか。

ただ私が個人的に気になるのは、抜本改革といえば2008年頃に、相続税の課税方式そのものを改めると言った議論は一体どうなったのでしょうか?

相続税の調査で修正申告書を提出した時に、いつも「これでいいのか相続税!」と思うことがあります。

相続人の内の一人の不正や申告漏れにより遺産全体にかかる相続税が増加し、その増差税額分は他の相続人も遺産の取得割合に応じて納付しなければならない羽目になってしまうからです。

たとえ、不正等をした当の相続人が他の相続人の修正本税や付帯税の分まで払ったとしても、何も悪いことはしていない相続人の元に加算税、延滞税の通知書が送られたりすれば、親子や兄弟の仲が微妙なムードになってしまいます。

現行の法定相続分をベースにした課税方式をとれば仕方がないことかもしれませんし、他の課税方式も一長一短あるとは思いますが、この点だけはいつも納得いかない納税者が多い気がします。

と思っているところへ「これでいいのか相続税」というタイトルで、税を考える市民フォーラムが九州北部税理士会の主催で次の通り開催されるようです。

開催日 平成24年1月21日(土)

場 所 ソラリア西鉄ホテル8階特設会場

参加費 無料(先着順で250名まで) 


市民フォーラムは基調講演と市民参加のパネルディスカッションの2部構成で、その後、相続税や贈与税に関する無料税務相談会も開催されるようですので興味がある方は参加されてみてはいかがですか。

詳しくは九州北部税理士会まで

東芝ビルから

2012年01月01日

2012年がやってきました。

昨年は「前進」をモットーに頑張ることを誓って一年を過ごしてきましたが、振り返ってみると…

「動きながら考える」ことの重要さを改めて感じ、またも後悔と反省に終わった一年でした。

2012年もお客様から色んなことを教えていただきながら、日々、成長していきたいと思います。

どうぞ今年もよろしくお願いいたします。


門松

2011年12月19日

平成23年度税制改正の中でも、すぐに適用が開始されるものに更正の請求手続きがあります。

更正の請求は簡単に言えば、確定申告などで税金を多く納め過ぎていた場合に取り戻す手続きのことですが、この手続き期限は従来、法定申告期限から1年でした。

これまではこの手続き期限が1年以上経過してしまった場合は、税務署長あてに「嘆願書」を出して、返してほしいとお願いするほかありませんでした。

そしてそれを受けて税務署では、それが更正ができる期間内であれば、その内容を検討し、職権で減額更正を行ってくれる場合があります。

今回の改正で、平成23年12月2日以後に法定申告期限が到来する国税について、この「更正の請求」ができる期間が1年から5年に延長されました。

ところで、今回、税務署から出されている書式を見ると「更正の請求書」と内容はほぼ同様のもので「更正の申出書」という書式が新たに制定されています。

この違いは何かと税務職員に尋ねたところ、「更正の申出書」は平成23年12月2日より前に法定申告期限が到来する国税で、更正の請求の期限を過ぎた課税期間について、税務署の増額更正ができる期間内であれば、この「更正の申出書」を提出すれば対応するという回答でした。

つまり、従来は嘆願書を出していたものが、この「更正の申出書」で対応が可能になったということですね。

平成23年12月2日を境に、法定申告期限に応じて更正の請求と更正の申出の使い分けが必要になりそうです。

これは平成23年度の税制改正大綱で「過年分についても、運用上、増額更正の期間と合わせて納税者からの請求を受けて減額更正を実施するよう努める。」とされていることを受けて運用されるものですが、アメばかりではなく、ムチも用意されています。

更正の請求の改正のあらましをよく見ると注意書きの4番目に小さく、この更正の請求の期間の延長に合わせて、所得税、消費税などこれまで3年とされていた増額更正を行うことができる期間も5年に延長された、と書かれています。

もちろん、脱税行為の場合は、従来通り7年で変わりなく、還付にあたっては調査によりその内容を検討されることは、従来どおりです。
さらに更正の請求の理由の基礎となる「事実を証する書面」の添付が義務化されています。

どちらにしたって、やっぱり最初から間違えずに申告する方が無難ですね。