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2012年12月02日

先日、競馬の配当金30億円に課税するというすごい事件が報道されました。

ギャンブルで得た収入は一時所得として(収入金額−その収入を得るために支出した金額−最高50万円)×1/2が課税の対象となるのですが・・・

問われればそう答えますが、まあそんなものを申告した人は聞いたことがありません。

年収800万のサラリーマンだそうですが、土日だけで3年間に30億1千万円もよく稼いだものだと驚きです。
もちろん当り馬券もあれば予想が外れたレースもありますから、つぎ込んだ投資額も28億7千万だそうです。

その金額の多寡は別として一般の人がまず申告しないこの手の収入を、国税局がどうやって調べたのか、そっちの方が興味津津ですね。
インターネットを利用していたといいますから、そちら方面を調べて足がついたんですかね。

さて、問題はその馬券配当収入の必要経費がその当たり馬券の購入額しか認めないとして課税処分を行ったことです。
確かに、はっきりしているのは当り馬券の購入額だけですし、ハズレ馬券なんてみんな捨ててしまうでしょうから。

ただこのサラリーマンの方が、どのような家族構成の方かわかりませんが、休みの日に家庭を犠牲にして、稼ぎのすべてを自転車操業的に次の馬券購入資金をつぎ込んで稼いでいたとすれば、事業所得か雑所得に近いといってもいいような気がします。

土日だけとはいえ、収入を得るため相当の回数と投資額で継続的に馬券を購入しているという状況です。
しかも今回、インターネットでの購入履歴などから年間の総投資額も容易に把握できるのではないかと思います。

個人的には馬券の購入額はハズレ部分も含めて認めてあげるのが一般人の常識的な感覚のような気がするのですが。

読売新聞によると、被告側は
「外れ馬券も含めた購入総額こそが必要経費。一生かかっても払えない過大な課税は違法性があり、無効だ。」
と大阪国税不服審判所に審査請求しているそうですが、最高裁までいかないと考え方は変えられないかもしれませんね。


2012年11月18日

最近、少し落ち込んでいます。

もう20年近いお付き合いの顧問先のAさんが、最近亡くなられました。

温厚な人柄でとても真面目な方でした。
結婚もされてなかったせいか、とにかく毎日が仕事中心の生活でした。

手がすいた時は工場を手伝いながら営業と経理を一人でこなし、持病の腎疾患による人工透析を終えてからまた事務所に請求書を書きに戻るというすさまじい働きぶりでした。

そのAさんに昨年ガンが見つかり、それからは入退院の繰り返し。それに加え、週に3回の人工透析で、往年は80キロ以上あった体重は、最後に入院したときは40キロまで減っていたようです。

お見舞いに行くたびに悪くなる一方の病状にかける言葉がない私を相手に、最近の売上の状況や、従業員の心配など、最後まで会社のことばかり話をされていました。

どんなことがあってもこの会社を守っていくという執念がヒシヒシと伝わってきて、それがAさんの命の灯火を支えていた感があります。

福岡に身寄りがいなかったAさんから生前に会社のこれからのことやご自身の相続等の手続きを依頼されていた私は、今、病院や自宅にあった遺品の整理中です。

その品々は会社に関する書類が中心ですが、その中から今春、最後となった社員旅行で社員と一緒に撮った楽しそうなスナップ写真などが出てきました。
体は相当つらかったはずですが、その嬉しそうな表情を見ると、とても胸に迫るものがあります。

土曜日の早朝に亡くなり、日曜日に慌ただしく葬儀を終えると、もう月曜日には何事もなかったように社員だけで工場は稼働しています。
というより、稼働しなければやっていけないんですね。
哀しんでいる暇はない。
まさに下請け中小企業も命がけで生きているということを実感します。

会社のことだけが生活のすべてだったAさんの一生がよかったのかどうかは別として、彼の会社にかけた思いや情熱は、間違いなく私が尊敬する社長の中の一人です。

どうぞ今はもうゆっくりとお休み下さい。

2012年11月01日

11月に入りました。早いもので今年も残すところ、あと2ヶ月となりました。

先だってから年末調整関係書類が税務署から送られてきています。
この封筒を見るといつものことながら気持ちが早くも年末気分に駆り立てられてしまいます。

この税務署から送られてくる封筒の中に入っている「年末調整のしかた」という冊子を覗いてみると、
昨年と比べ変わった点という項目の中に、「生命保険料控除が改組されました。」とあります。

平成24年分から生命保険控除の適用限度額が合計で12万円に拡充?されているというものです。
ありがたいといえばありがたい適用限度額の拡充ですが、その内容は平成24年1月1日以後に契約した保険契約に係るもので、一般の生命保険料控除と年金保険料控除及び今回新設された介護医療保険料控除の各適用限度額がそれぞれ4万円で、その三つが合計で12万円ということです。

つまり、介護医療保険の枠は増えたものの、それぞれの枠は5万円から4万円に縮減されています。
新卒のサラリーマンなどで今年初めて一般の生命保険にだけ加入したといった場合、適用限度は4万円ということになります。

但し、平成23年12月31日以前に契約した(旧)一般生命保険料控除及び(旧)年金保険料控除は従来通り限度額はそれぞれ5万円で変わりありません。

従って、拡充されたといっても、平成23年12月31日以前に契約した旧契約だけで、平成24年に介護医療保険料控除の対象になる新規契約に加入していなければ、適用限度額は(旧)一般分と(旧)年金分で合わせて10万円ということですね。

契約者には保険会社から保険料控除証明書が既に届いていると思いますが、その証明書には契約によって新とか旧の記載がされています。

又、税務署から配布される生命保険料控除申告書にも介護医療保険料控除の欄に加え、新契約と旧契約の欄が設けられています。
きちんと記載すれば控除は間違いなく計算できるようになっていますが、いい加減に書いていると控除限度額を間違えることになります。

新旧の区分だけはお間違えないように!

年末調整のことなら、福岡市の田中秀樹税理士事務所

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