2012年11月18日

壮絶!社長業

最近、少し落ち込んでいます。

もう20年近いお付き合いの顧問先のAさんが、最近亡くなられました。

温厚な人柄でとても真面目な方でした。
結婚もされてなかったせいか、とにかく毎日が仕事中心の生活でした。

手がすいた時は工場を手伝いながら営業と経理を一人でこなし、持病の腎疾患による人工透析を終えてからまた事務所に請求書を書きに戻るというすさまじい働きぶりでした。

そのAさんに昨年ガンが見つかり、それからは入退院の繰り返し。それに加え、週に3回の人工透析で、往年は80キロ以上あった体重は、最後に入院したときは40キロまで減っていたようです。

お見舞いに行くたびに悪くなる一方の病状にかける言葉がない私を相手に、最近の売上の状況や、従業員の心配など、最後まで会社のことばかり話をされていました。

どんなことがあってもこの会社を守っていくという執念がヒシヒシと伝わってきて、それがAさんの命の灯火を支えていた感があります。

福岡に身寄りがいなかったAさんから生前に会社のこれからのことやご自身の相続等の手続きを依頼されていた私は、今、病院や自宅にあった遺品の整理中です。

その品々は会社に関する書類が中心ですが、その中から今春、最後となった社員旅行で社員と一緒に撮った楽しそうなスナップ写真などが出てきました。
体は相当つらかったはずですが、その嬉しそうな表情を見ると、とても胸に迫るものがあります。

土曜日の早朝に亡くなり、日曜日に慌ただしく葬儀を終えると、もう月曜日には何事もなかったように社員だけで工場は稼働しています。
というより、稼働しなければやっていけないんですね。
哀しんでいる暇はない。
まさに下請け中小企業も命がけで生きているということを実感します。

会社のことだけが生活のすべてだったAさんの一生がよかったのかどうかは別として、彼の会社にかけた思いや情熱は、間違いなく私が尊敬する社長の中の一人です。

どうぞ今はもうゆっくりとお休み下さい。
posted by 田中秀樹税理士事務所 at 00:19 | Comment(0) | 所長ブログ
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