2012年10月10日

今度は使える? 給与所得者の特定支出控除
 サラリーマンの資格取得費

給与所得には必要経費に相当するものとして、給与所得控除があります。

これまでは特定支出として通勤費や転任のための費用、研修費用、単身赴任者の帰省旅費、資格取得費用(弁護士、公認会計士、税理士などの資格は除く)などの費用が給与所得控除を上回った場合に、その超える部分を追加して控除できるという仕組みでした。

今回の平成24年改正では、勤務必要経費(最高65万円)を含む特定支出の額が給与所得控除の1/2(最高125万円)を超える部分が追加して控除できるように変わりました。

文章にするとなかなかピンときませんが、イメージ図はこちらをご覧ください。

私は今まで残念ながら、この特定支出控除を使って給与所得者の確定申告をしたことは一度もありません。
又、私のまわりの税理士仲間でもこれを使って申告したという話は聞いたことがありません。

これまでは事業所得者の手前、サラリーマンにもとりあえず認めてやると言った、まさに「絵に描いた餅」のような制度だったのですが・・・

今回は資格取得費と勤務必要経費の内容が改正されました。

まずは資格取得費。

今までは資格取得費は弁護士、公認会計士、税理士などのその資格を持つことによって特定の業務を行える資格は対象から外されていました。

しかし、昔と違い士業といっても厳しい経済環境には変わりなく、資格を取れば独立するといった傾向が薄れ、勤務弁護士や補助税理士などのサラリーマン的な先生も増えているという背景を考慮してか、今回からそれが必要なものとして給与の支払者の証明があれば、必要経費として認める方向に変わったようです。

例えば税理士事務所に勤める税理士先生の息子が税理士資格取得のために通う専門学校の通学費用は、先生が業務の遂行に直接必要な支出であると証明すれば、今後はOKなんでしょうね。

でも、先般、国税庁HPに公開された
「平成25年分以後の所得税に適用される給与所得者の特定支出の控除の特例の概要等について(情報)」

の質疑応答編をみてみると、

受験資格を得る支出か否かで、法科大学院に係る支出はセーフで会計大学院のものはアウト、という説明もなんだか釈然としません。

まだまだ限られた人だけだと思いますが、今回の資格取得費は税理士事務所や弁護士事務所の職員さんの中には、確定申告にチャレンジしてみようという人も出てくるかもしれませんね。
これは平成25年分以後の所得税から適用です。

posted by 田中秀樹税理士事務所 at 18:30 | Comment(0) | 所長ブログ
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