9月29日はわが家にとって、とても大切な日でした。
にもかかわらず一週間前には曇りの予報だった天気は、台風の影響により次第に雨マークに変わり始めていました。
遠方からの来客が多いためか娘の様子も、ともすれば湿りがちです。
「大丈夫、私は晴れ男だから!」
と何の科学的根拠もなく娘を慰めていました。
でもうちのスタッフが言う通り、私が出掛ける時は雨がほとんど降らないのです。
そして、当日。
今にも降り出しそうな雨は誰かが涙をこらえんばかりに我慢しています。
私は初めて着るモーニングとウイングカラーのシャツにまごつきながらも何とか着こなし、教会の扉の外で娘とその時を待っていました。
一度きりのリハーサルでは何事もなくスムーズに終えての本番でしたが、いざ扉が開き、進みだしたところで、
「お父さん、今までありがとう。」と一言。
予期せぬ言葉に、
「・・・・・」
とてもうれしかったのですが、動揺し何も言えず、ただ頷くばかりでした。
今思えば何か一声かければよかったな。
その時の一枚がこれ
仕事と披露宴の段取りに忙しく、主のいなくなった部屋は明日にも帰ってきそうなくらいにそのままです。
新居もわずか数分のところに構え、次の日も新婚旅行の準備に帰って来てガサゴソやってます。
嫁いだ娘を哀しむといった父の切ない感情が、なぜか不思議と湧いてきません。
披露宴で私が号泣する姿を一目見ようと張り切ってきた学生時代の友人にも、
「泣き顔を楽しみにしてたのになんで泣かないんだ!」
と悪態を突かれました。
だって私は晴れ男ですから、最後まで雨と涙は降らしません。
次はわからないけど・・・
ともあれ、式と披露宴に来ていただいた皆様、本当にありがとうございました。