2012年05月29日

厄介な消費税仕入税額控除95%ルールの見直し

3月決算法人の申告もいよいよ大詰めを迎え、当事務所もなかなか忙しい状態となってきました。

さて、4月から新年度入りして早2ヶ月が過ぎようとしていますが、自計化しているところは決算確定を待たずに、新年度の元帳記帳を進めているところも多いと思います。

そんな中、平成24年4月1日以後開始事業年度からは年間売上が5億円を超えそうな事業者は消費税の会計処理については若干注意が必要です。

というのは平成23年税制改正で、課税期間の課税売上高が5億円を超える事業者は仕入税額控除について、
課税売上割合が95%以上の場合に認められていた仕入税額の全額控除が認められなくなり、個別対応方式か一括比例配分方式のいずれかで計算することになったためです。

今回のこの消費税の95%ルールの改正は、日々の会計処理に大きく関わってきますから、その処理に当たっては経理担当者の理解と協力が不可欠です。

ということで、既に昨年の秋ごろから、該当しそうな顧問先には話をしていたのですが...

一括比例配分方式を適用した場合の2年間の継続適用などの、メリット、デメリットの説明まではいいのですが、
「会計処理に当たっては課税仕入れの内、課税売上対応部分と、非課税売上対応部分、さらに課税売上と非課税売上に共通で対応する部分を取引ごとに区分して、さらに共通対応となる一般管理費は・・・」
などと共通対応分の課税仕入の内容や考え方について説明をしていくと、明らかに社長や経理担当者の顔が不機嫌になっていくのが分かります。

「そんなこと、やっとられん。うちは一括比例配分方式でよか!」
と社長がキッパリと言い切れる会社はいいのですが、
本業の他に住宅貸付などの不動産賃貸業を兼業しているような課税売上割合の比率が95%ぎりぎりの会社は、手間ヒマかけて節税をするか、コストと割り切って手間を省くかはなかなか悩みどころです。

5億の売上を上げる会社というのは、そこそこの規模ではあり、それなりの経理担当者もいるとは思いますが、そのような会社であっても、経理担当者が消費税の取引内容を正しく理解して適切な処理をすることはなかなか大変だというのが率直な感想です。

もう既に個別対応方式で申告している場合はともかく、3月決算法人で課税売上が5億円を超えていながら今まで仕入税額を全額控除していた会社は、これから個別対応方式により消費税の申告を行うのであれば、早速、本年4月からこの取引ごとの消費税の対応区分を明確にしておく必要がありますので、ご注意ください!

消費税申告のお問合せは福岡市の田中秀樹税理士事務所

事務所入口
posted by 田中秀樹税理士事務所 at 09:39 | Comment(0) | 所長ブログ
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