2010年02月11日

相続が始まった!4 お布施って・・・

葬式費用の内、葬儀会社に支払う費用の次に負担が大きいのがお布施です。

葬儀会社や寺院との打ち合わせがひと段落しても、さあ今度はお布施をいくら包めばよいものやら、とても思い悩む方が多いのではないかと思います。
又、お布施といっても、どこまでが相続税法上の葬式費用として認めてもらえるのでしょうか?

前回、ご紹介した相続税基本通達13-4の(2)では
「葬式に際し、施与した金品で、被相続人の職業、財産その他の事情に照らして相当程度と認められるものに要した費用」
と書いてあります。
ウーン・・・なんだかよくわかりませんよね。
又、同基本通達13-5では「法会に要する費用」は葬式費用にならないと書いてあります。

要は葬式費用に認められるお布施はお通夜から葬儀までのものに限られるということです。従って、初七日から二七日、三七日と続き、七七日いわゆる四十九日などの法要時のお布施は葬式費用には含まれません
ただ、最近はほとんどの場合、告別式の後、火葬場から斎場に戻ってきて、葬儀の時と同じ顔触れで初七日の法要をすまされるのではないでしょうか?
つまり、現在では、葬儀だけでなく、その後火葬場から帰ってきて初七日の法要を終わらせてようやくその日の葬儀は終了、というのが実感だと思います。

又、葬儀の当日、住職に渡すのは御車代(5千円〜1万円)程度で、後日改めて、葬儀のお布施と初七日のお布施を合わせて持参するのではないかと思います。このような葬儀当日に初七日まで済ませるケースは、全体を葬儀の行事として捉え、初七日のお布施まで含めたところで判断するのが妥当ではないかと思います。

さて、お布施の相場についてです。
これは、誰に聞いたらいいのでしょう?
その地域の各檀家間の関係が良好な地域は、檀家同士の情報交換が可能でしょうが、普段、お寺とあまりお付き合いがない方は、その地域の情報やお寺の方針などを知る術がありません。
そういった人は、まず、葬儀社の担当の方に相談してみたらいかがですか?葬儀社の人もいろんなお寺と交渉がありますから、はっきりとは言いませんが、それとなく教えてくれると思います。

ある程度、事前情報を得たら、あとはもうズバリお寺の住職に聞くことですね。
はっきり言われない方もおられるようですが、最近はほとんど、金額を伝えてくれるようです。
でも、やっぱり「○○万円です。」と言われるまで、まさにハラハラ、ドキドキですね。

勇気がある人は、「申し訳ありませんがこれしか都合がつきませんでした。」と、自ら決めた金額をお渡しするのも一つの方法かもしれませんね。ただ、あまりに安いと問題になるかもしれませんが・・・

そして、後でいやな思いをしないために、ここで一番大事なことは、院号を付けてもらうかどうかを、はっきりと伝えることです

生前、寺院に大層貢献したわけではないのに、法名になぜ、○○院だの、○○居士だのがつくだけで何十万もの金額がプラスされるのか信仰心が薄い私にはまったく理解できません。でも、故人のプライドを守りたいと思えば、やむを得ない出費なのでしょうか。

ちなみに、私の父の場合は、本人から生前より院号はいらぬと聞いていたのでそのようにお願いしました。頂いた法名は 釋 至安 という、父の名前の一字も入っていないとてもシンプルなものです。最初、正直ややさびしいなと思いましたが、住職から名前の由来やその法名に込めた思いをお聞きしてからは、母や私たちはとても満足しています。

今回の当家の場合は、予想していた相場の金額でしたが、予定外だったのは住職に加え、そのご子息である若い副住職もいらっしゃったことで、費用が予想よりもかさんだことです。それはそれで、実際に来ていただいているので良いのですが、本葬の後は、住職のフォローもなく、法要などはすべて副住職に任せっぱなしにされていたのがやや気になりました。又、法要の際にもただ読経だけで、法話を聞くこともなく、ややさびしい思いをしています。

都心では、私たちがお寺に対してドライに対応しているから、必然的にお寺も私たちにドライに対応するように変わってきているのでしょうね。
私たちも菩提寺をもっと大切にしなければいけないと反省してしますが、寺院自体も、もっと真剣に事業承継に取り組むことが大切だなと感じる今日この頃です。

相続対策のことなら田中秀樹税理士事務所

ちなみにこの記事を書いているときに発売された週刊ダイヤモンド2010年2月13日号で「安心できる葬儀」という特集が組まれています。
この特集によれば、お布施の関東近郊の一般的な金額として
戒名なしの場合       〜30万円
○○信士の場合        30万〜50万円
○○居士の場合        50万〜70万円
○○院○○信士の場合   70万〜100万円  
○○院○○居士の場合   100万〜200万円  
○○院殿○○信士の場合  200万円〜

と書かれています。
宗派や地域によって違いはあるかと思いますが、とても参考になるので記しておきます。これ以外にも、葬儀費用の見積もりの仕方などについて、とても詳しく載っていますので興味がある方は、ご覧になられたらよいかと思います。
posted by 田中秀樹税理士事務所 at 14:54 | Comment(0) | 所長ブログ
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