2013年08月01日

平成25年度税制改正2 相続税・贈与税の税率構造見直し

しばらく間が空きましたが、相続税改正の続きです。

平成25年度税制改正では相続税の税率構造が現行の6段階から8段階に細分化し、2億円超3億円以下の部分は45%、6億円超の部分についてはさらに55%のランクが設けられました。

これは法定相続分に応ずる各人の取得金額の税率区分ですから、2億円を超えてくるのは配偶者、子供二人の相続人3人のケースで基礎控除後の課税遺産総額が4億円超の場合になります。
やはりある程度の富裕層がターゲットですね。

そして今回は贈与税の税率も構造も見直されています。

贈与税では従来の1000万円超の部分の税率ランク50%を、

1000万円超 1500万円以下 45%
1500万円超 3000万円以下 50%
3000万円超         55%

の3段階に細分化しています。

さらに、直系尊属からの贈与についてはこれより緩和された税率区分が設けられました。

20歳以上の者が直系尊属から贈与を受けた財産に係る贈与税の税率構造
    現行         税率         改正案       税率
200万円以下の金額   10%     同左   
300万円以下の金額   15%     400万円以下の金額   15%
400万円以下の金額   20%     600万円以下の金額   20%
600万円以下の金額   30%     1,000万円以下の金額  30%
1,000万円以下の金額   40%      1,500万円以下の金額  40%
1,000万円超の金額    50%       3,000万円以下の金額  45%
                         4,500万円以下の金額  50%
                        4,500万円超の金額    55%

税率区分からみると、一般贈与の税率も下がる贈与税節税の狙い目ゾーンは1000万円から1500万円の間でしょうか。

例えば1500万円の現金贈与をすれば、今までは470万円だった贈与税が、改正後は一般贈与で450万5千円に、さらにそれが、父母や祖父母からの贈与であれば、366万円に減少します。

ただ、確かに直系尊属からの贈与で104万円の減税幅は大きいと思いますが、現金はともかくこれが不動産の贈与であれば、不動産取得税や登記費用もかかりますからやはり高額贈与は躊躇してしまいますね。

また、同一年で一般贈与と直系尊属からの贈与が両方ある場合、基礎控除の調整計算をしなくてはなりませんので、さらにややこしくなります。

多少緩和されたといっても、贈与税はやっぱり高いということをあらためて実感させられますね。
そして申告書はさらに複雑になり、戸籍謄本などの添付書類が増えるのだろうなと思ってしまいます。

この税率改正、平成27年1月1日以降の相続、贈与分から適用です。
posted by 田中秀樹税理士事務所 at 09:57 | Comment(0) | 所長ブログ
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