2012年08月28日

消費税法改正案は成立したけれど・・・

「社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行うための消費税法等の一部を改正する法律案」
というやたらと長い消費税改正案が8月10日に成立しました。

今回は消費税の改正のみにとどまり、所得税の最高税率引き上げや相続税の基礎控除、税率構造の見直しは先送りになりました。

消費税は平成26年4月1日から8%(消費税6.3%、地方消費税1.7%)に。
そしてその1年半後の平成27年10月1日から10%(消費税7.8%、地方消費税2.2%)に引き上げられます。

消費税の逆進性対策として給付付き税額控除や食品などの生活必需品への複数税率も今後さらに審議されていくことと思われますが、消費税の仕組みや計算はこれからますます複雑化しそうです。

しかしながら、中小企業者のもっとも切実な悩みは、消費税のアップ分をうまく価格に転嫁できるかということではないでしょうか。

同法では、消費税の円滑かつ適正な転嫁を確保する観点から公取法や下請法での必要な法制上の措置を講ずるとしていますが、どこまで中小企業を守ってくれるのか。

ただ、同法の第18条(消費税率引き上げに当たっての措置)では、平成23年度から平成32年度までの平均において名目の経済成長率で3%程度、実質の経済成長率で2%程度を目指し、それに近づけるための必要な措置を講ずるとしています。

そして、その措置を踏まえつつ経済状況等を総合的に勘案した上で、その施行の停止を含め所要の措置を講ずるとしてあります。

思わず、「ン?」と言いたくなりますね。

つまり、経済成長率如何では「施行の停止」=「税率アップが停止」もありうるということです。

何だか、消費税率アップが時の政治の駆け引きの道具に使われそうな雰囲気がプンプン漂ってきますね。

こうなると、平成26年の4月の税率アップも「ひょっとして・・・」と変な期待をもってしまいそうです。

どちらにせよ、まずは民間企業の努力と変わらないぐらいに歳出の無駄遣いの見直しを図ってもらいたいものです。
posted by 田中秀樹税理士事務所 at 08:34 | Comment(0) | 所長ブログ
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