2012年02月25日

基礎控除廃止???

先日、確定申告無料相談会場での出来事。

確定申告に来られる方の中には、自分が手書きで一つひとつ記入して所得額や納税額を算出しないと確定申告をした気がしないという、まさに自主申告の鑑の様な方もいらっしゃいます。

今回、私は事前準備コーナーというところで納税者への申告書の記載指導をしていたのですが、申告書は自分で書いて提出するので記入内容を見てほしい、という70代の納税者の申告書をチェックすることに。

さすがに不動産所得の収支計算は毎年自分で申告しているだけあってほぼきちんと記載をされています。

でも、持ってこられた昨年の申告書の控えと比較して見ると、所得や社会保険料、生命保険料などの控除も昨年とそう変わらないのに、なぜか納税額が増えています。

よく見ると誰にでも受けられる基礎控除の記載が抜けています。

「○○さん、基礎控除が記入されてないですよ。」

と言うと、

「えー、今年は廃止になったのかと思ってました。」

「ん???」

こちらの方がビックリです。
配偶者控除は廃止するだの、なんだのとよく議論されますが、基礎控除が無くなったとは聞いたことがありません。

そう言われてまじまじと申告書を見ると確かに基礎控除の欄には380,000円の事前印刷はされていません。
たしか昔の申告書には基礎控除の金額は既に記載されていたと思うのですが...

基礎控除があることを当然のことと思い、手書きで申告書を書かずにコンピュータで打ち出すようになってから、実際の申告書に基礎控除欄に金額の記載がされていないことに、まったく気づいていませんでした。

税務署が配布している「所得税の確定申告の手引き」の書き方をよく見てみると、基礎控除の項目には、

「すべての方に適用される控除」380,000円(この控除は必ず記入して下さい)

と書いてあります。

でも、おそらく大半の高齢者の方はこんな冊子を隅々まで読む人はまずいないですよね。
誰にでもある控除で金額も一律なんだから、あまり読む人がいない手引書に「必ず記入して下さい。」なんて書くぐらいなら、最初から申告書に金額を記載しておく方がよっぽど一般の方には親切だと思うのですが...

一般の人にとっては、税法の解釈や判断という以前に、申告書を手書きで書くこと自体が、まだまだ難しい書類なのだと実感しました。

コンピュータで申告書を作成する人はこんな間違いはしないと思いますが、手書きで申告書を書かれる方はこんなうっかりミスもあるようです。十分ご注意ください!

明日、2月26日(日)は、福岡市内では、天神の西鉄ホール(ソラリアステージビル6階)福岡タワー会場(早良区百道浜)、香椎税務署で23年分確定申告の閉庁日対応の無料納税相談会場が開設されます。
仕事で平日に申告に行けない方は最後のチャンスです。
但し、相当混み合うのは覚悟をした方がいいかも...


posted by 田中秀樹税理士事務所 at 19:49 | Comment(0) | 所長ブログ
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