2011年08月12日

申告書閲覧ってサービス?

先日、亡くなられた方の所得税の準確定申告を作成するにあたって、過去の申告書をきれいさっぱり処分していた相続人のため、税務署に申告書を閲覧しに行ってきました。

申告書等の閲覧は、昔は委任状を持っていけば、税理士事務所の職員でも比較的簡単に閲覧できたのですが、平成17年の個人情報保護法の施行に伴い閲覧の要件が厳しくなっています。

本人が出向く場合でも、運転免許証などで本人確認を行うのは当然ですが、代理人を立てる場合は委任状に納税者本人の実印を押印の上、印鑑証明を添付しなければなりません。

今回はさらに亡くなられた納税者の申告書の閲覧ですから、相続人全員の自署及び実印が押された委任状と印鑑証明(申請日前30日以内に発行されたもの)が必要になります。
加えて、相続人全員を明らかにする戸籍謄本(抄本)も必要です。
そして代理人である私は、当然ながら税理士証票。

今回は3年分の所得税の確定申告書と収支内訳書を閲覧したのですが、要求したものだけをファイルから出して、見せるだけなのに、準備に何と一時間近く待たされました。
そして閲覧ですから当然コピーはしてくれません。
空欄になった申告書と収支内訳書を渡されて書き写さなければなりません。

コンピュータソフトが発達し、手書きで申告書を作成することが無くなった今日、さんざん待たされた揚句に、申告書を書き写させられるという非効率な作業を30分近く続けていると、なんだかじわじわと腹立たしさがこみ上げてきます。

税務署は税務調査の時は、遠慮なく調査協力という形で資料のコピーを要求するにもかかわらず、税務署での申告書閲覧は今回のような適正な申告を行うための申告内容の確認であっても、有料コピーすらしてくれません。

閲覧だけはさせてやるけどコピーまではさせないのというやり方で本当に申告書等閲覧サービスと言えるんですかね。
有料コピーぐらいしてくれてもバチは当たらないと思うのですが。

唯一、個人情報保護法に基づく情報開示を本人自身が請求すればコピーをもらうことができます。
この場合、代理人では請求することができません。
また、閲覧は無料なのに対し、こちらは1件300円の手数料が必要です。

特に相続税申告書の情報開示請求をすると相続人が多数いる場合は大変面倒な上、コピー受領までに相当な日数を要します。
しかも、相続人一人ひとりに対しての交付になりますので、申請者以外の相続人の欄は「対象外」と記載されて空白になっているため、申告書が見づらいことこの上もありません。

皆さん、後々のことを考えて、くれぐれも申告書は大事に保存しておきましょう。
posted by 田中秀樹税理士事務所 at 15:33 | Comment(0) | 所長ブログ
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