2010年05月12日

相続が始まった!9 グラントリノにおける遺言書

GW中に「グラン・トリノ」のDVDをレンタルショップで借りてきて見ました。
ご存じクリント・イーストウッドの監督・主演作品です。
映画の中では、クリント老人は人種偏見も甚だしく、又、気難しくて息子達からも疎まれる頑固じいさんで、戦時体験での罪の意識と息子家族との心のすれ違いに苦悩する姿を好演しています。
彼が所有している財産といえば、つつましく暮らしている一軒家といつもピカピカに磨き上げられた彼の分身のようなグラン・トリノという年代物の愛車ぐらいです。

物語の中で、彼の死後、遺言書が見つかります。そして相続財産がだれの手にわたるのか、遺族たちが注目する中、弁護士らしき人から、相続人たちにとっては意外な遺言内容が告げられます。
どうもアメリカでは遺留分制度がないようです。(州によっては、配偶者に遺留分有り)

遺留分とは、相続人が相続できる最低限の権利のことですが、これは遺言書によっても侵すことが出来ません。日本でこんな遺言書が出てきたら、大騒ぎになるだろうなと思って見ていました。おそらく「遺留分の減殺請求」が相続人から行われることになると思います。

相続のことに関わってつくづく思うのは、相続税がかかろうと、かかるまいと財産をおもちの方は遺言書を作成しておくべきだということです。一番その必要性を感じているのは、その方のお子さんたちですが、なかなか親に向かって、遺言書を書いておけとは言いにくいものです。私たちも、その方が元気な時ならまだしも、体が弱ってきている時にそういうアドバイスをすることは、非常に心苦しいものがあります。
そして、それは誰かに口頭で告げるだけでなく、書類で残してもらいたいのです。

税理士に、ただ自分の気持ちを話をしているだけでは、後になって相続人達にはなかなかわかってもらえませんよ!

遺言書とは言わないまでも、自分自身でその財産に対する思いや考えをまとめて、文書にしておくことはとても大事なことです。いざ、相続が始まると、いくら仲のいい兄弟でも、遺産分けに際して多少の波風が立つことだってよくあります。そんなときでも、財産を分けることに被相続人の意思が反映された文書があれば、相続人は親の意思を尊重するのではないでしょうか。
でも、出来れば、弁護士や税理士と相談して遺留分やその他の要件を満たした正式の遺言書を残しておきたいものですね。

相続のことなら福岡市の税理士 田中秀樹税理士事務所へ

posted by 田中秀樹税理士事務所 at 19:11 | Comment(0) | 所長ブログ
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